個人事業主向けのビジネスカードを取るコツは?

キャッシュフローを円滑に進めるために大きな助けとなる法人向けのクレジットですが、個人事業者だと審査が厳しく、なかなか取得できないという向きもあります。確かにクレジットは一種の金融商品ですので、しっかりとした信用状況を持っていないと、なかなかクレジット会社の方でも首を縦に振ることはできないものです。しかし、しっかりと審査基準のポイント、つまりクレジット会社がどこを特に見て審査をしているかを知ることで、カードを持てる確率を上げることができます。

まず、個人事業者のビジネスカード取得がどうして難しいのかという点から考えることが大事です。クレジット会社としては、当然確実に返済をしてくれる人にサービスを利用してもらいたいと思っています。しかし、自営業というだけで、収入が安定しないと見られてしまうことが多いのが現実です。そこで、自分の仕事が安定していて、収入もきちんと毎月確保できているということを示すことが大事です。

申し込みの際には、たいていクレジット会社から事業開始の時期や大まかな収入などを聞かれるものです。もちろん、嘘は言っていないものの確かめる手段がないと、クレジット会社側でも多少割り引いて考えることになります。そこで、収入証明書を添付するという手段を採ることができます。確定申告書や納税証明書、もしくは税務上の収入が把握できる書類を一緒に納めることで、確実に安定収入があるということを証明できます。一定上の融資限度額がなされるクレジットでは、こうした収入証明書提出が必須となっていますが、そうでなくても書類を提出したい旨伝えることも可能です。

そして、事業を立ち上げて間もない場合、やはり経営が不安定だと思われて審査で厳しく見られてしまう傾向があります。どのくらいの期間が経過していればいいのかというのは、それぞれのクレジット会社によって違いますので、一概に言えないものの、たいていは1年以上経過しているというのが条件として見られます。中には6か月程度の期間経過だけでも審査に通るというクレジット会社もあります。ですが、やはり安全策を採って、それなりの期間、少なくても1年程度は経過してから申し込んだ方が無難と言えるでしょう。

というのも、ビジネスカードは一度審査に落ちてしまうと、次に申し込む時に期間を置かないといけないからです。何らかの条件をクリアできずに審査に落ちると、その後半年から1年くらいは、申し込みそのものを拒否されてしまうことがほとんどです。

また、数打てば当たるだろうと、たくさんの会社に発行申し込みをすると、その情報が共有されてしまい、審査に通りにくくなることもありますので、やはり条件に適っていそうなところの目星をつけて、そこに集中して申し込みをした方が良いでしょう。確実にビジネスカードを手にするためには、条件をクリアできそうなクレジット会社をしっかりと探して、大丈夫となった段階で申し込むのが安全なのです。

もしくは、個人事業主専用のサービスを利用するというのも一つの手です。こうした専用カードでは、審査基準が明確に公表されていて、それに受かるかどうかが分かりやすいというメリットがあります。

また、特に収入証明書の提出はいらないとあらかじめ表記していたり、事業開始からの期間は関係ないとしていたりすることもあります。ポイント還元がない、付帯サービスがないなどの制限はありますが、気軽にサービスを使えるので、まずはこうしたカードから始めてみるのも良いでしょう。利用に伴って信用状況も高くなりますし、事業継続期間も長くなりますので、その後もうちょっとステータスの高いサービスを申し込むことができます。

年会費無料の法人クレジットカードはどこがおすすめ?

法人クレジットカードは、年会費が無料のものから数十万円かかるものまで実に様々なタイプがあります。ブランド力の高いもの、コンシェルジュサービスなどの付帯サービスが充実しているものはやはり年会費が高い傾向にあります。しかし、実際に使う分には、ランニングコストが安く済む方が良いというのは当然なことです。

また、基本的なクレジットの機能である、決済をカードのみで行い、明細を一つにまとめられるというものはどれでも一緒です。こうしたことを考えると、年会費が一切かからないサービスを選ぶというのは賢い一つの方法です。どんなカードがあるのかをチェックして、自社の使用に耐えられるものなのかを調べることは大事です。

まず、年会費無料を考えるに当たっては、二つの異なるタイプをチェックする必要があります。最初から完全にお金がかからないというものと、「実質無料」とされるものです。前者の方はそのままの意味ですので、単純にコストがかからないと考えることができます。一方で後者は、一定以上の条件、たとえば年に何回かの利用で一定上の金額をカード決済とするという条件を満たすことで無料になるというものです。その条件は様々ですが、たいていの場合は普通の使い方をしていれば条件を満たせることが多いので、条件付きではあったとしてもこれも年会費無料と考えられるでしょう。

ランニングコストがかからないのは良いことですが、メリットばかりがあるというわけではありません。というのも、年会費がかかるものを選んだ方がトータルで見て安く済むというケースもあるからです。費用なしでサービスを受けられるもののほとんどは、ポイント還元率が悪いかほとんどポイントが付きません。また、空港ラウンジ利用や保養施設の割引などの特典も付かないことが多くなっています。

それなりの金額を利用する場合や、福利厚生のためのサービスを特典でまかないたいという場合には、ある程度ランニングコストを払ってでもサービスを導入した方が結果的にお得となることもあるのです。こうした二つの面、つまりメリットとデメリットの両方を天秤にかけて、より自社にとってお得に使えるサービスなのかを検討してから発行してもらうようにしましょう。

こうしたことを考えた上で、ランニングコストがかからずサービスもある程度充実している、いわばコストパフォーマンスに優れた法人クレジットカードをランキングでご紹介します。

1位 ライフカード ビジネス スタンダード
ライフカードは、法人向けにMasterCard、JCB、VISAのカードを用意しています。どれも年会費は永年無料となっていて気軽に持てるのが魅力です。有料となるゴールド会員と比べると、空港ラウンジサービスや旅行保険付帯などがないという点はありますが、基本的な機能であるショッピング枠はどちらも最大500万円となっています。ポイント還元がなされないという点は考慮しなければなりませんが、楽に持てるカードということを考えると満足できる内容でしょう。

2位 P-one Business MasterCard
初年度無料で、2年目からは年会費がかかることになるのですが、カードでの決済があれば自動的に無料となりますので実質無料と言えるでしょう。このサービスのおすすめポイントは、無料でもゴールドになるという点です。それだけサービスが充実しています。たとえば、キャッシング利用ができること、5枚まで追加発行ができる、ポイントがなされ還元率が0.66パーセントと割と高めになっているというのが素晴らしいところです。

3位 セゾンパール・アメリカンエキスプレス
初年度無料で、2年目からもカード利用で実質無料となります。指定店舗や海外利用でポイント還元アップ、追加カードも無料などの特徴があります。

法人カードローンのメリットデメリット どんなケースで使うべき?

企業活動をスムーズに行うためには、資金調達の流れを切らないことが非常に重要です。しかし、時には急に資金が必要になることがあり、銀行など通常の融資では追い付かないという事態に陥るケースが生じます。そんな時に大きな助けとなるのが法人カードローンなのです。この金融サービスについては、ブラックなイメージを持っている人もいますので、誤解のある考え方のため利用を検討することさえしていないという事業者も実際います。しかし、このサービスの特徴をよく理解して正しく利用すれば、キャッシュフローを正常に流すための力となるのです。

まず、法人カードローンとはどういうシステムかということですが、一般の融資と比較すると分かりやすいでしょう。銀行などからの融資では、借りる金額があらかじめ決まっていて、その額を一回だけ受け取ることができます。しかし、カードローンの場合はトータルでいくらまで借りられるという限度額はありますが、その額に達しないのであれば、いくらでも何回でも借りられるのです。

たとえば、融資限度額が500万円だとします。最初に300万円借りても、まだ200万円の枠が残っています。そのため、必要に応じて150万円のみ、次に50万円のみという借り方ができます。そして、返済を行えば、その分の枠が復活しますので、また新たに借りることができるというのも便利な点です。

そして、カードローンでは、カードさえ手元に持っておけば、いつでも専用ATMなどから引き出せるという点も特徴となっています。いちいち銀行融資のように窓口に行ってお金を受け取るのではなく、キャッシュカードで銀行口座からお金を引き出すようにして融資を受けられるということです。また、大きなポイントと言えるのが、保証人と担保が不要で融資を受けられるという点です。通常融資の場合は、不動産や銀行口座などの担保なしには難しいですが、このサービスであれば気軽に現金調達ができるのです。

他にもメリットはいろいろあります。まず、申し込みから融資実行までが非常に早いということです。通常の銀行融資では、審査などに時間がかかって最低でも1週間、長いと3週間、1か月と待たないといけないこともあります。しかし、法人カードローンであれば最短即日融資というのも可能となります。急ぎの資金が必要になった時に頼れるのが良いところです。さらに、審査基準が通常融資よりも緩いということです。銀行からの融資が承認されなかったというケースでも大丈夫なことが多いので、安心できます。

一方で、法人カードローンにもデメリットはあります。それは金利が高く設定されているということです。融資金額や信用状況などによっても異なりますが、通常融資の数倍以上になるのが普通ですので、後々の返済に苦労することも少なくありません。それぞれの会社で異なる金利設定をしていますので、よりお得に借りられるところを見つけて利用することが肝心です。また、基本的なことではありますが、事前に返済計画をきっちりと立てておき、無理のない借り入れをしないといけません。

もう一つのデメリットとしては、融資限度額が低いということです。法人向けのサービスであっても、最大で500万円から1,000万円というのが相場です。個人事業者や小規模の事業者であれば十分な資金を得られるかもしれませんが、設備投資をしたいなどの大型融資が欲しい場合には不十分となります。

そのため、このサービスはあくまでも銀行融資が受けられない場合に使うというのがベストです。会社設立をしたばかりで銀行融資に通らない、今すぐに資金が必要で、銀行融資実行までのつなぎにしたいというケースで使うことで、メリットを最大限に生かすことができます。